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憲法についての本を読みました。 [本]

伊藤真先生の、「憲法の力」という本を読んだ。
とてもわかりやすく、憲法とは何か、憲法を改正するということはどういうことか、ということが解説されている。

最近は下火になっているけど、ついこの間まで政治家の人たちの間では大きな話題になっていた憲法改正の議論。
政治の世界は、私たちの思いが届かないところで、いろいろなことが決められてしまうという印象が強かったけれど、この話題だけは、政治的駆け引きや、誰かの一方的な強い思いだけで話が進んでしまうことに、あせりのような思いも抱いたし、とても違和感があった。

憲法改正=憲法9条の改正 という議論だったことが、その原因だったと思う。


憲法9条。
言うまでもなく、戦争の放棄を謳った条文だ。

私はもちろん戦争を体験していないし、私のおじいちゃんもおばあちゃんも多くを語ろうとはしないから、何か具体的なイメージとして抱けるものではないのだけど、戦争は、人が人を殺すことを国家が正当化することだということは、わかる。

その戦争を、日本はしないと誓った。戦争をしないために、軍隊を持たないと誓った。

私は、この誓いはすばらしいものだと思うし、誇るべきものだと思っている。
そんな憲法を変えようとしている人たちが、どんなことを考えて、何を目指しているのか、戦争をしないという誓いを捨ててまでやりたいことは何なのか、考えても考えてもわからなかった。

ただ漠然と、戦争の放棄、軍隊の不保持を謳った憲法が変えられてしまうことへの不安があった。


この、「憲法の力」という本は、とても力強く、9条は改正するべきではない、と訴えている。
法律の専門家として、憲法を改正するべきと主張する人たちの議論に対し、ひとつひとつ、法律的な解釈をもって反論しているだけでなく、著者が、心から、強く現在の日本国憲法を大切にするべきと思っていることが伝わってくる。

この本を読んで、私が学問的知識や議論に裏付けられたものではなく、ただ感情的に違和感を抱いていた議論に対して、きちんと根拠をもって反論してくれる専門家の方がいるとわかって、とても心強く思った。

もちろん、いろいろな意見があるだろう。
拠って立つ思いが違えば、同じ議論でも異なる解釈が導かれることは多々あることだ。

私の思いは変わらないけれど、いろいろな本を読み、いろいろな話を聞いてみたいと思った。そして、自分なりに根拠をもって思いを主張できるようになりたいと思った。

私たち一人一人が、きちんと考えるべき問題なんだと、心から思った。
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